Challenge 2
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ホゾについて 25 2003.3.28記
後一つ同じところにホゾが直行する場合を見ていきますが、
図のように片
側はなるべく幅広にした通し平ホゾとし、もう一方は細い二段の重ねホゾ
にします。通し平ホゾには重ねホゾを貫通させるためのホゾ穴を赤点線の
ように空けておきます。ホゾ穴の部材には図のようにお互いのホゾ穴に関
係なく、そ
れぞれの通しホゾの貫通穴を空けておけば良いことになります。
これを私は勝手に込み栓ホゾと呼んでいますが、仮に赤点線のホゾ穴をそ
の延長線上の黄点線のように切り取ってしまえば、前項の通し違いホゾと
同じことになりますが、ホゾ穴にして込み栓状態のホゾを差し込んで、片側
のホゾは抜けなくしたものです。
前項で書きました通し違いホゾ接ぎではどちらのホゾから組み付けても構
いませんが、
当然この組み方はその性質上ホゾを組み付ける順序が出来
てしまいます。まず通し平ホゾを差し込んで楔を打ち組み付けます。
次に
重ねホゾを差し込んで楔を打ち組み付けますが、家具としての全体に適し
た組み立て手順が有りますから、場合によっては組み立てできなくなったり
組みにくくなったりしてしまいますので、それに合わせてホゾを決めていく必
要がありますし、どちらかのホゾを抜けないようにしたい場合には、それに
合わせて全体の構造、組み立て手順を考えていくことになります。
ここでは一つの例として
通し平ホゾと二段の重ねホゾで書きましたが、二段
ホゾは細くなりやすいので小根を付けたりできますし、ホゾやホゾ穴の部材
の寸法関係から上下の重ねホゾを左右の二枚ホゾにすることも出来ます。
赤点線のホゾ穴については、ホゾ穴部材のホゾ穴と精度よく合わせておく
必要があります。少し大きめに開けておいても構いませんが、折角込み栓
の働きを持たせていますので、赤点線のホゾだけは組み付け後にホゾ穴
部材のホゾ穴の倣って空けても良いでしょう。
一つ例を挙げておきますが、これも座面を面ロープで編むイスの後脚に側
と後の座枠を組む部分ですが、ここでは後の座枠が左右の二枚ホゾ(込み
栓)で荷重強度が必要ですから上下に小根が付けて有ります。その下にな
っている部材が後脚の込み栓ホゾの差込口になります。左の部材が側の
座枠で、この部分がイスで一番負荷のかかるところですから、二枚の平ホ
ゾで込み栓を利かせて抜けない側にしてあります。この平ホゾはホゾ穴を
空けずに脚と組み、楔を打ち込んでから左の見える脚の込み栓ホゾのホゾ
穴に倣って角ノミで貫通させます。
最後に込み栓ホゾを差し込んで楔を打って組み上げます。
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