Challenge 2
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構造について 163 2005.7.9記
木の扱いについては、この
Challenge 2 の「板の扱いについて 2」で引き
出しの例を挙げて書いていますの、でそちらも参照していただければと思
いますが、木の動きが分かっていれば後は全てその応用ですから、自分
なりに納得、理解ができていれば何でも有りです。引き出しの前面に木表
を出すも木裏を出すも、それなりに理に適った対処、対応、工夫ができま
すので自由自在になるでしょう。
ここでも重複しますが少し木の扱いについて書いてしまいますが、
前項で
「木の動きを考えれば板同士の接合では極一般的には木表同士を接合
することが多いと思います」と書きましたが、図で表わせば上の左図のよう
に
なります。板自体は青点線のように反る性質がありますから、こうするこ
と
で白丸部分は密着しようとすることになりますし、板同士が反りを打ち消
す
合う組み合わせになります。また木裏同士が外面になりますので、多少
な
りとも反ろうとする動きを押さえる方向に働くのではないかと思います。
この発想の一番求めているものは、接合した板が反らないようにと言うこと
ですから、二段目の図のように前板を INSET と OUTSET に分ける場合は、
上の右図のように板を同じ向きにして木表と木裏を接合して、初めから一
枚の前板として見ても構わないことになります。当然その板は緑矢印のよ
うに反ろうと動く傾向にありますが、側板との接合でそれを押さえようとして
くれます。これで前板の引き出し内側には木表を出すことが出来ることにな
ります。
下の図2点は黄丸部分を前から見たところを表していますが、極一般的に
はこうした板で箱を組む場合は、左図のように木裏を外側にすることになり
ます。これで側板は水矢印のように反ろうと動く傾向にありますので、赤丸
部分がしっかり密着してくれることを一番重視したことと捉えて良いと思いま
す。
当然右図のように側板を逆にして木表を外側に出して組んだ場合には、側
板の動きは桃矢印のような傾向にあることになります。これは引き出しです
から、湿度の変化や灰矢印の側板の長手方向の動きなどと、長いスパンで
側板の動きを考えた場合に、引き出しの出し入れに対してどう影響してくるか
良く考えてみてください。こうした面から見ていきますと、極一般的に採られて
いる下の左図の方法が、一概に最良の方法とは言えないところも有るので
はないかと思いますが、自分なりに色々な面から総合的に考えて自分なり
に納得行く方法を考えてみてください。
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