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構造について 156 2005.6.25記

引き出し 包み打付け継ぎと取手  

引き出しの保持方法としては大きく分けて、吊り桟方式と受け桟方式にな
ると思いますが、言葉の通り吊り桟は本体に凸の桟を取り付け、引き出し
には側板に吊り桟の凸部分が嵌る凹の溝を掘り引き出しを収めるもので、
写真はその吊り桟方式になります。今時は非常に良く使われていると思い
ますが、スライド レールも吊り桟と同じ方式と捉えて良いでしょう。

このスライドレールも色々 な仕様のものが有りますが、出し入れが非常に
軽く引き出しを目一杯引き 出すことができますし、引き出しすぎて引き出し
が抜け落ちてしまうこともあ りません。また上下左右の位置もスライドレー
ルで決まってしまいますから ブレ止めは必要ありませんので、本体構造と
しても簡素化できます。引き 出しとしての使い勝手も良く非常に実用的なも
のですが、取り付けには少 しシビアなところがあります。スライドレールにつ
いてはここではこれ以上触 れないことにします。
勿論写真のような木の吊り桟による場合でも、引き出し側板に溝を掘りま
すので、各部の寸法関係には少し神経を使います。

図は引き出し側板の溝と吊り桟を表していますが、吊り桟で上下方向の位
置は決まってしまいますが、引き出し口と引き出しの寸法関係から、吊り桟
の寸法に対して側板溝の矢印寸法にどの程度遊びを作るかや、スライド
レールのように左右の位置は決まりませんのでブレ止め構造が必要になり
ますが、左右のブレに対して矢印寸法に有る程度の余裕を見ておく必要
がありますので、自分の家具の作り方に対する最適な寸法を見つけてくだ
さい。
また引き出しに対して吊り桟をどの辺りに付けるかについても、理屈的には
取っ手なりツマミの位置(極一般的にはセンター辺りになるでしょう)が最適
かと思いますが、前板と側板の接合のことが有りますから、溝を掘ることが
できない部分も出来てきますので、あまりシビアに考える必要もないのでは
ないかと思います。この辺りは何を優先するかの自分の考え方次第となる
でしょう。

両側板には吊り桟の溝を掘りますから、板厚は少し厚めにしておくことにな
ると思 いますので、引き出し自体は少し重めになりますが、本体構造は少し
簡素化できますので、逆に本体重量は少し軽めに仕上がるでしょう。


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