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構造について 111 2005.3.27記

次に脚部と座面の接合方法について見ていきますが、基本的には 下の図
のような、一般的に欠き込み三枚接ぎと言われている方法で組んであると
思いますが、これ自体についてはこの Challenge2 の「ホゾについて36」に
書いていますので合わせて参考にしていただければと思いますが、ここに
角度が付いてくることになります。ただ座板については矢印部分は止め
になっていますので、少し加工に手間がかかります。
とにかくこの接合で全ての強度を出すことになりますので、この嵌め合いが
全てですし、挿し込み角度でイスの仕様が決まりますので、罫書き、加工、
組み立てと普通のイスに比べて特に慎重に精度良く作業を進める必要が
有ります。

嵌め合いをしっかり効かせる事になりますが、挿し込みに角度が付いてき
ますから、当然挿し込み口は鋭角と鈍角になりますが、脚部は座面対地角
度と背座の角度を足した角度になりますから、矢印の鋭角側ではこの部
分が弱くなりますので、ホゾをしっかり効かせた組み立てでは、挿し込み抵
抗も終始大きく挿し込み初めからこの部分に負担が掛かってしまいますの
で、一寸したブレや加減で潰れたりすることも起きてきます。
また更に挿し込みが進むに従って、挿し込み抵抗が相当大きくなってきます
ので、組み立て方法などについても良く考えておく必要が有ります。勿論角
度の付いた挿し込みですから、冶具なども合わせて考えておく必要が有るこ
とは言うまでも無いでしょう。

これらの事は逆に言えば、それくらい嵌め合いをきつ くしておかなければ、
こうしたイスの場合の力の掛かり方に対して強度が確保できないとも言えま
すが、こうした部分の組み立てやすさや、嵌め合い部分全体が均等に嵌め
合いが効くようにだと思いますが、丸部分の嵌め合いでは僅かなテーパ
ーが付けてあると思います。
実際にこうした接合では僅かにテーパーを付ける効果は絶大で、組み立て
ではある程度まで抵抗なく差し込めますので挿し込みブレがなくなりますし、
雄雌の加工が精度良くできていれば、うまく均等に嵌め合いが効くことになり
ます。
またこの部分は座ることで挿し込み方向に荷重が掛かり続けますが、テーパ
ーが付いていた場合の方が、この力が嵌め合い部分全体にうまく働きやすく
なるのではないかと思います。
ちなみに私の場合はこうした挿し込み構造では脚部、座部、アーム部共に
1度のテーパーを付けていますが、ベニマツのような軟材では丁度好い加減
でしょう。


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