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構造について 109 2005.3.23記

前項の続きになりますが、見てしまえば何でもないことのように思えます
が、こう した発想をして実現してしまうことは本当に凄いことだと思います。
上の左図で見ての通り、背側の傾斜を柱(脚)自体の傾斜とすることで
矢印方向のみに掛かっていた負荷が、後方にも分散されることになります
ので、最適なバランスが取れていれば柱と摺り足の接合部分には、垂直
方向への荷重が掛かるだけと考えて良い状態になリます。
勿論実際には座り方やその姿勢の変化で、ある範囲でバランスは崩れま
すが、下の図の片側のみに力がかかり続けることを考えれば、接合部分
に掛かる負荷(負担)は随分軽減されることになりますので、接合部分とし
てはある程度のバランスが崩れた状態に堪えうるだけの強度を持たせる
ことができれば良い訳です。勿論安全率を有る程度加味しておく必要があ
ることは言うまでもないでしょう。

このことから逆に言えることは、柱が垂直に近付くほど柱と摺り足の接合部
分に負担が掛かることになりますので、なるべく背が倒れた仕様がこうした
タイプの構造のイスには向いていることになります。また上の左図の丸部
分から分かるとおり、柱を摺り足に挿しこむ角度が大きくなればなるほど、
嵌め合い部分の長さは長くなりますので好都合です。勿論これについても
非常に背を倒した場合は矢印の向きは反対になり、逆に後方への負担
が非常に大きくなり、作ることにおいても挿し込み角度が大きくなりますので
厄介になります。また矢印部分が非常に鋭角になりますので、加工組み
立てにおいて不都合が出やすくなりますから、やはりこの構造のイスに向い
た適度な角度範囲があることになるでしょう。

実際のコノイドチェアがどんな角度仕様になっているかの詳細は知りません
が、あ くまで私が試した限りでの柱(脚)の角度範囲としては、イス自体の仕
様の違いによる各部の位置関係や見た目のバランス、接合部の仕様や扱う
木で一概には言えませんが、色々な意味でのバランスを考えた、あくまでも
おおよその目安値としては、15〜25程度になるのではないかと思います。
勿論これ以上の角度でも問題なくできますし、実際に最大30度程度まで試し
てみましたが、見た目のバランスやホゾ仕様とその加工組み立てを考えます
と、それ以上の角度であれば別の構造を考えた方が自然だと思いますので、
上の図のような構造である限りは先に挙げた範囲程度に収めておくのが無
難でしょう。
ただこれは柱(脚)が直線として背の対地角度がそのまま摺り足への挿し込
み角度のなることで考えていますが、柱をくの字や曲線仕様にすることで挿し
込み角度を小さく(変化させる)することもできます。ただ、当然組み立てはや
りにくくなります。


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