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 Challenge 2                               
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構造について 69 2004.12.9記 
  
    
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    前項の続きになりますが、編み座の場合は編み上げることで部材を締め 
上(寄せる)げますので、丸ホゾ平ホゾに関係なく必ず胴付き面は設けて 
おく必要があります。これは言うまでもないとことだと思いますが、下の図 
で言えば白丸部分に胴付が有りますので、編んで締め上げてもここで止 
めてくれますが、もし胴付きの無い大入れのストレートですと、通しホゾで 
楔を打ち込んでいても、使っている間に段々ホゾが飛び出してきてしまい 
ますので、こうした場合には止めホゾにしておくべきですが、堅材の場合 
は問題ないと思いますが、軟材の場合には接合強度の問題が出てきます。 
 
関連して話が少し飛びますが、二段目の図は90度回転させて楔部分を上 
にすればウインザーチェアという訳ではありませんが、厚い座板に丸ホゾ 
の脚を差し込んだ状態と見ることもできるでしょう。こうした場合も同様で 
もし胴付きの無い大入れのストレートですと、通しホゾで楔を打ち込んでい 
ても、使っている間に段々ホゾが飛び出してきてしまう可能性があります。 
 
長年イスとして使うことで衝撃的な負荷や色々な荷重がかかり続けますし、 
しっかり乾燥させた木でも長い年月で木は何時しか段々痩せてくるもので 
すから、長持ちするものを作ろうとするのであれば、こうしたところでは胴 
付きを設けた場合などのように、物理的に止まる構造にしておきたいとこ 
ろです。胴付きの無い大入れのストレートで接合しようとすれば、地獄ホゾ 
などもイスでは良く用いられると思いますが、
この辺りの丸ホゾのことにつ 
いては、関連事項がこの Challenge 2 の「ホゾについて 59〜61」で少し書 
いて有りますので、合わせて参照していただければと思います。 
 
勿論軟材でも編み込みで強力に締め上げていますので、ホゾが抜けてく 
ることはないのですが、イス自体のたわみなど全体の強度に影響してきま 
すので、軟材のイスの場合は機械的強度と接合強度をバランス良く考え合 
わせていく必要が有ります。そんなことから軟材は堅材に比べて強度が劣 
りますので少し厄介で、特に編み込むイスには不向きと思えるところもある 
のですが、とにかく部材が軽いですからイスの実用性を見ていきますと、軽 
いと言うことは非常に大切で重要な要素ですから、その特長を生かすべく 
色々工夫して行けば軟材にも十分メリットがあると思います。 
 
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