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構造について 67 2004.12.5記 
                    前後左右の座枠寸法比についてですが、イスの設計においてはイスの用 
途に合わせてある程度の座面寸法が決まってきますが、どんな寸法でも 
木の座ではさして問題になることはありませんが、編み座の場合は仕様に 
より、編むことによるある程度制約がでてくることは前に書いたとおりです。 
実質的に編むことができる部分は茶二点差線の四角部分になりますが、 
カナコ編みの場合はこれも編み方の性質上、四角でさえあれば前後左右 
の座枠寸法比についてはこれといった制約はありませんが、写真のイスの 
編み方では対角線状(45度)に編み目の稜線が出来ますので、こちらも四 
角でさえあればどんな寸法比でも編むことは出来ますが、外観的な収まり 
や座り心地を考えますと、ある程度の制約がでてきます。 
              下の図三点は実質的に編むことができる、上右の茶二点差線の四角部分 
を表していますが、見ての通り左図が正方形、中図が縦長の長方形、右図 
が横長の長方形ですが、これは分かりやすいように長方形は少し誇張して 
みています。 
左図の正方形では編み目の稜線は、図のように当然対角にできますので 
×印になります。 
中図の縦長の長方形では編み目の稜線は、図のように対角が交わる部分 
を結ぶ並行の稜線が縦にできます。 
右図の横長の長方形では編み目の稜線は、図のように対角が交わる部分 
を結ぶ並行の稜線が当然横にできます。 
 
実際にこうした編むことを考えずにイスの座面寸法を考えて(設計)していき 
ますと、普通にいけば椅子の座は人体形状から必然的に下の右図のように 
横長の寸法比になるのではないかと思いますが、こうした編み座では後脚 
間を絞ることが多いですから、場合によっては実質的に編む部分において 
は中図の縦長の長方形になる場合も起きてきます。 
 
極一般的には左右の座枠は上にずらしますから、この場合は左右の凸部 
分が広くなリ太股裏の圧迫感が大きくなりますし、座り心地としてもお尻の収 
まりが悪くなる傾向にあります。また座面編み上がりの外観的な収まりとして 
も右図の横長の長方形に比べて悪く感じますが、ただこれについては人そ 
れぞれ個人的な感覚の違い好みが有りますので、一概に決め付けることが 
できないのは言うまでもないでしょう。 
ただやはり機能的なことも含めて総合的に見ていきますと、左図の正方形 
もしくは右図の横長の長方形の寸法比になるように、前後左右の座枠寸法 
比を考えていくべきではないかと思います。 
 
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