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構造について 51 2004.11.3記

同じ程度の座面仕様のダイニングチェアでも、一寸した背の仕様の違い
で背板の最適角度が変わってきますし、ここに個人的な体形の違いや感
覚の好みが加わってきますので、なかなか厄介です。またそうしたイスの
構造、スタイルの違いによりイスの雰囲気が変わりますので、イスに求め
る雰囲気や場の演出なども考え合わせていきますと、デザインの重要性
が問われてくるのではないかと思います。

イスですから、なんといっても座り心地が快適であることが一番重要なこと
は言うまでもないことだと思いますが、デザインが素晴らしく感じて多少の
座り心地の悪さを我慢してでも、使いたいと思えるイスに出会うこともある
と思いますが、座り心地が悪くてデザインが素晴らしいと言えるのかどうか
と問うこともできますし、個人的な好みは理屈では解くことが出来ませんか
らイスは実に奥が深いものです。でもやっぱデザインが一番重要かも・・・

直に話が横道にそれてしまって話しがなかなか進まなくていかんですね〜
一寸まとめてみますとダイニングチェア的なイスはテーブルなどで使うこと
を前提にしていますので、上半身の後傾が大きくなりますと安楽性は増し
ますが、テーブルに対して体を起こす動き、抵抗が大きくなりますので、前
傾しやすいようにわりと背の立ったいわゆる姿勢を正した状態で、快適に
座ることが出来るものが向いているように感じますが、そうしたことからい
けば上の図のようなイスは背板の角度自体は結構大きく取りますが、上半
身の姿勢自体はわりと背の立った状態且つ自由になりますので、向いてい
るのではないかと思います。
二段目のようなタイプのイスで、快適なイスにまとめ上げるのはなかなか難
しいものがあると思います。座り方にも依るのは言うまでもないことですが、
とにかくこのタイプは腰を引く範囲が最大背板までと限られてしまいますし、
背板に上半身を沿わせて座った場合は背板の傾きが上半身の傾きになり
ますので、先に書いたようなことから背の角度を大きく取りにくいですし、そ
うなると腰を前にずらしてルーズに座った場合には背の当たりが少し窮屈
になりますので、ある程度快適な姿勢の許容範囲が狭くなる傾向にありま
す。
要するにルーズな姿勢の自由度が狭いことになりますが、これは別の捉え
方で、背側に背を付けずに姿勢を正してかしこまって座り、背は場の演出と
言いますか、ある種緊張感のある接客的な場でのイスに向いたところも有
るのではないかと思います。

ここではほんの僅かの例で書いてきましたが、背 の仕様自体は本当に色々
な仕様で作ることが出来ますので、それぞれの背の仕様の特長を良く掴ん
で、それぞれの特徴、良さを生かした椅子を考えて見てください。
また何度も書いていますようにSHや座面など他の仕様との関系で、快適な
背板の角度が変わってきますので、経験を蓄積していってください。


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