Challenge 2
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ホゾについて 7 2003.3.10記
ホゾは本当に色々な種類が有りますが、
図のように一番単純な場合を見
ていきますと、強固に接合する場合にはホゾ穴に対してホゾを大きめにし
てきつく差し込むほど強固に接合することが出来ることに成りますが、当た
り前ですが大きすぎればホゾが入らなくなってしまいますし、あまりに強引
に差し込めばホゾ穴の部材が割れてしまうことも出てきますので、当然適
度な嵌め合い関係があることに成りますが、これもホゾの仕様、状況や樹
種により随分変わってくることになります。
このホゾ穴にきつく差し込むために
ホゾを大きく作りますが、「木について」
で書きましたように木は素麺を束にしたような状態になっていますので、そ
の性質上茶矢印方向は機械的に弱く、緑矢印方向は非常に強いですから
ホゾを青矢印方向に大きく作りますと、ホゾ穴に差し込むことでホゾ穴の部
材が割れてしまう可能性が有りますので、青矢印方向の寸法はホゾ穴に対
してピッタリかほんの僅か小さめに作り、ホゾ穴に無理がかからないように
します。(少しきつめに作り潰してから差し込むことも有ります)
一方緑矢印方向は非常に機械的強度が有りますので、ホゾを強固に組む
ためには赤矢印寸法をホゾ穴より大きく作り、強引に差し込んで接合強度を
得ることに成りますが、これをホゾを利かせるといいます。このホゾの利か
せ具合は上に書きましたように扱う木、作るものやホゾ仕様により随分変わ
ってきますので、自分なりのものを掴む必要がありますが、例えば針葉樹と
広葉樹の比較で見ますと、一般的に針葉樹は機械的強度がありませんし柔
らかいので、強固に接合するためには少し大きめにしますし、広葉樹は機械
的強度が有り堅いですから針葉樹に比べて少し小さめにします。極々一般
的には框組の場合
1〜3ミリ程度のなるではないかと思います。
二番目の図は上の図の状態で差し込んだところを側面から見たところです。
差し込む部材がそのままホゾ寸法になりホゾが利くようにしますが、これを
大入れとか追入れと言われています。ここでは棒状のホゾを差し込んだこ
とで書いていますが、三番目の図のように板同士を組む場合でも同じことで、
差し込む部材の板厚がそのままホゾとして利くようにしますが、当然板幅が
有りますのでホゾの利かせ寸法は上に書いた框組みの1〜3ミリに比べて
一桁小さいコンマ何ミリかの寸法にしませんと組むことが出来なくなってしま
います。この板同士の場合は諸欠き追入れ(大入れ)接ぎと言ったりもするよ
うですが、こうした名称は同じような発想のものでも少しの形の違いで色々な
呼び名が付いていますので厄介ですが、名前自体よりも根本を理解すること
が重要です。
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