Challenge 2
<< 前へ 次へ >>
ホゾについて 116 2004.4.19記
二段目の図は拡大したところになりますが、一点差線は45度の絶対値ラ
インとしますが、 この留めの理想ラインで部材を仕上げたとしますと、理
屈では
ピッタリ留めは綺麗に組み上がることになります。
そこで今仮に理屈どおりに綺麗に組み上がった物があるとしますと、非常
に湿度が下がった乾燥状態を考えて見ますと、分かりやすいように少し誇
張して書きますが木目は灰矢印方向へ木取
りますので、木の性質上灰矢
印方向へは殆ど伸縮しないと考えて構いませ
んので、白丸部分を基点と考
えれば乾燥により茶矢印の外周ラインが青点線の
ように収縮することにな
り、赤丸のコーナー部分は緑矢印のラインで平行
移動しますので留めライ
ンは桃点線のように変化します。
次ぎに梅雨時のように非常に湿度が上がった状態を考えますと、もうお分
かりだと思いますが当然今と反対の状態になります。くどいな〜と思われ
ても書いてしまいますが、灰矢印方向へは殆ど
伸縮しませんので、茶矢印
の外周ラインは黄点線のように膨張することになります。赤丸のコーナー
部分は緑矢印のラインで平行
移動しますので留めラインは水点線のように
変化します。
図で一目瞭然だと思いますが、一点差線の45度の絶対値ラインを基準とし
て、乾燥状態になれば留め部分は桃点線のように鋭角になりますので、三
段目の左図のように内側がすいて内笑いになります。
また湿度の高い状態になれば、留め部分は水点線のように鈍角になります
ので、右図のように外側がすいて外笑いになります。
額縁や扉のようにそれ程幅広でなければ変化も微々たる物ですし、フレー
ムですからたわんで吸収もできますので、まず不都合が出ることはありませ
んが、湿度の変化で絶えずこうした動きをしていることになります。
幅広の留めになりますと伸縮が大きくなりますので、なかなか厄介なことに
なってきます。板目では変化が大きいですから柾目で木取りしたりの工夫も
必要になってきますし、外笑いだけは避けたいですからあらかじめ内笑い気
味に仕上げて、強引にクランプしてしまうなどの必要も出てくるでしょう。
どんな仕様でも留め接ぎはほんの僅か内笑い気味に仕上げて、組み立て時
にクランプで密着させることが基本と捉えて良いと思います。
<< 前へ Page top 次へ
>>
|