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木の扱いについて 6 2002.6.23記 
  
           上図は板からイスの背板を切り出すところですが、イスの背板などは 
背当たりを良くするために、茶点線のように R を付けますので、切り 
出
した後の強度を考えておかなければなりません。 
右図は青矢印の柾目で表していますが、白丸部分を見ていただくと分 
かると思いますが、R を取る事で年輪が切れてしまいますので、強度 
が無く折れやすくなります。他にもイスではアームやロッキングチェア  
のロッカーなど機能上こうしたR を必要とする部材が多くなりますので、 
絶えず動荷重がかかり続けますので、R の付いた部材を取る場合に 
は必ず緑矢印のような板目材で作らなければいけません。 
 
また、イスに使う角材などをホームセンターなどで購入する場合には、 
二番目の図のような目の流れた材は強度が落ちますので、四面良く 
確認して木取りの状態を良く確認して選ぶようにしてください。 
勿論板から角材を木取りする場合にも木目に注意して、目の流れた 
角材を取らないように板を選別しなければなりません。 
キャビネット類においての R は殆どデザイン的なものが多く、静加重 
で考えておけば問題ありませんから、そこまで神経質になる必要はあ 
りませんので、ケースバイケースで考えて行けば良いでしょう。 
          三番目の図は扉を観音開きで取り付けた状態ですが、
四方のフレー 
ムは省略してあります。扉の上下は通常フレームとの空きを多く取り 
ますので、空矢印の横框の膨張は問題になりませんが、紫矢印の扉 
の突合せ部分の空は、見栄えから支障の無い範囲でなるべく小さくし 
ておきたいところです。 
赤矢印の縦框は4本になりますので、板目と柾目では伸縮寸法が違 
いますので、柾目にしておけば空寸法を最小にすることが出来ます。 
また白丸部分は通常ホゾで組みますが、下の図は白丸部分を下から 
見たところですが、柾目の縦框であればホゾが良く利きますので、扉が 
強固に組みあがります。   
これは前項で書いた釘や木ネジの場合と同じ 
ことです。 
                               これは木についてに関する事になりますが、立ち木の生えている諸条 
件などにより、木の生長が偏り木の内部に歪を持っており、木の動きが  
不均一で予測が付かないものがあります。木を切るたびに反りやねじ 
れが大きく出てしまいますので非常に扱いが厄介です。こうした木はあ 
まり薄くしたり細い部材に使うことが出来ません。 
出来れば家具には使いたくない木ですが、使うのでしたら堅く木目も面  
白いものになる傾向にありますので、なるべく大きな部材として使うべき  
でしょう。 
こうした木を「あて」と言いますが、同じ木をたくさん扱わないとなかなか 
判断できませんが、木の色目を見れば分かるようになりますので、まず 
はこうした木がある事だけでも覚えておいてください。 
「ホゾについて 1」で続きを書いていきます。 
 
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