Welcome to   Wood worker kei   home page

    
 

Top
Information
Exhibition
Challenge
Challenge2
Challenge3
Link

top

 Challenge                               << 前へ  次へ >>

その他のホゾ、構造について 15 2002.5.11記

中扉シンク前 ルーバー  

 框組みの幕板をルーバータイプに変えた扉について書いていきます。
写真は流しですが、両外は薄い一枚板の幕板タイプで、中二枚がルーバ
ー扉の観音開きです。
ルーバー扉は通気性を持たせるための扉ですから、その機能の性質上、
流しやシューズボックス等の限られた所で使うことになります。
一般的にルーバー扉と言えば、左図の様に薄板を斜めにして中が見えに
く い様に、少し重ね代を見て並べていく物ですが、わりと薄めの板をたくさ
ん並べた物が多く少しうっとうしさも感じますし、作りとしても追い入れにな
りますから、仕上がりとしても寸法的にも角ノミはつかえませんので、トリマ
などで斜めの溝をたくさん開ける事になります。
これらの事からこのままの仕様では量産向けの作りではないかと思いま
す。また、同じ様な物ばかりでは面白くないので、少し違う雰囲気のルー
バー扉で、なるべく小規模でも作りやすいように角ノミを使うことが出来、
なおかつ直角の穴あけで作る事が出来るように考えた物が写真のルー
バー扉です。ただ、なるべく部材数も少なくなるように考えましたので、普
通のタイプよりも少し通気性が少し劣る事になります。

中図が写真のルーバー部分の断面ですが、点線がホゾになりますが、
一点差線の様な単純な三方胴付きホゾに、下部は中が見えにくい様に重
ね代を取りますので斜めにカットし、前面は円弧にカンナで削り跡を残して
仕上げます。この円弧の削りは手間がかかりますし削りにくいので、専用
の削り台を工夫して作っておくと良いでしょう。ルーバーの部材同士は重
ね代の意味で上端、下端少しダブ らせます。
また、もう少しシンプルで手間を省くのであれば、右図の様に部材を薄くし
て上下のみ斜めにカットします。これで加工はかなり容易になりますし、こ
ちらの方が合う所も有るでしょう。またルーバーの性質上扉をわりと薄く作
る事が出来ます。
このフレームの框組みはルーバーの形状から考えて単純な平ホゾで面散
りが合うと思います。また、ルーバー全体をホゾで組みますので一枚ホゾ
で十分でしょう。

これでルーバーは単純な平ホゾになりますし、角ノミも角度が付きません。
ルーバーの部材数も少なくする事が出来ますので助かります。また、前面
は円弧にカンナで削り跡を残して仕上げますので手間はかかりますが、小
規模で作る良さを生かした、独特の雰囲気に仕上がると思います。

横框とルーバーの上端、下端の処理は色々考えられますが、写真のルー
バー扉では図の様に、上端は横框に溝を掘りルーバーの上端が少し入る
ようにします。下端はその下図の様に、同じRを付けた目隠しの板を横框に
貼り付けます。またこのルーバーでは上下の横框にもRを付けて繋がりをス
ムーズにするのも良いでしょう。
ルーバーの様に一度に多くの部材を組む場合は、ホゾとホゾ穴のはめ合い
は、かなり緩めにしておかないと組む事が出来なくなります。特に止めホゾ
の場合はなおさらですので、色々なホゾ組みの経験を蓄積して感覚を覚え
てください。また、接着剤もあまりはみ出したりしない様に、気持ち少な目か
薄めにしておくと良いでしょう。
ちなみに写真のルーバーは15×39ミリ、Exhibitionに有りますシューズボッ
クス
は本体側面、引き扉共に15×53ミリで作っていますが、板厚はあと2〜
3ミリは落としても良い でしょう。幅は扉の仕様により原寸図を描いてバラン
スを考えながら決めて いくことになります。

「その他のホゾ、構造について 16」でもう少し扉について書いていきます。


                                 << 前へ Page top 次へ >>