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いすについて 3 2001.12.15記

(A)  
     
     
(B)  
(C)  

 写真(A)の様なロープ巻きのイスについて書いていきます。
ロープを使ったイスは編んだものや、背だけにロープをそのまま使ったイ
ス等は見かける事も有ると思いますが、背座共にロープ巻きのイスを見か
ける事はあまり無いのではないかと思います。
調べれば有ると思いますが、私の知る範囲では昔の北欧のイージーチェ
ア以外には知りません。そのフレームは四面フラットで、巻き方は写真の
イスとは違います。この巻き方についてはいずれ書いて行きます。
写真からも想像できると思いますが、ロープを巻いただけではどうしても緩
くなりますから、メンテナンスが必要になりますので、本当に実用的なイスに
は不向きです。もう少し細いロープを編んでやればダイニン グチェアなどの
実用的なイスでも使えるのですが、イージーチェアなどの遊び的要素の有
るイスが似合います。
見かけは軟で、当たりも痛そうで大丈夫かなと感じると思いますが、これが
なかなか見かけよりは快適な感触です。特に背当たりはイージーチェアなど
にピッタリです。
これは編んだ椅子ではある部分だけに荷重をかけた場合でも、編んだ事に
より全体に影響が及びますので、たわみも少なくわりとしっかりした面が出
来るのですが、これが逆に、体に対しての密着度の悪さに繫がりますので、
少し堅い感触になります。もちろん木に比べれば格段に柔らかい感触です。
一方ロープ巻きでは、ロープが一本一本独立していますので荷重をかけた
所だけしかたわみませんので、体に合わせてかたどりする様に上手く密着し
ますから、体全体を上手く受けてくれますので、軟な見かけよりは快適な感
触得られるのですが、これが逆に荷重の掛かり方が不均一になり、部分的
なロープの緩みに繫がりますのでメンテナンスが必要になります。

またロープ巻きのイスは編んだ椅子に比べると、体重を受ける背と座の実
質面積が狭いので、当たりは良いのですがどうしてもたわみが大きくなりま
すので、ダイニングチェア等の背の立ったイスでは座面に多くの体重がか
かりますので、実用的なイスの条件面から見ると不向きですが、イージーチ
ェア等で特に座と背の角度の大きいイスでは、座と背全体で体を受け止め
てくれますので、ロープ巻きの特質にピッタリだと思います。

背だけで考えて見ますと、イスの背の角度は前項の「イスについて 2」で少
し書きましたが、背の角度の大き対地角度の大きいイスは首を起こした姿
勢になりますので自然に猫背気味になり、ロープ巻きの様な背のランバー
サポート的な働きのない背でも割と快適に座ることが出来ます。
またこのタイプの背を、ダイニングチェア、ワークチェア、リビングチェアなど
に使う場合にはランバーサポート的な働きが有りませんので、体感角度は
わりと小さく感じますので、背の角度はかなり大きめにする事になり、イス
の外形寸法が大きくなります。
これは背貫を入れたりしてランバーサポート的な働きの工夫をして対処す
れば、かなり快適な背当たりが得られますが、せっかくのロープ巻きで出せ
る、シンプルでスッキリした雰囲気を考えると、どうも見栄えが今ひとつ冴え
ませんので色々試しているところです。
色々工夫して挑戦してみてください、かなり座り心地の良いイスが出来ると
思います。

また、座だけで考えて見ますとやはり体重は座に多くかかりますので、ロー
プ巻きだけで受ける場合はなるべく座の角度を大きく取りたい所です。また
座り心地はまあまあ快適だと思いますがやはりロープですから場合によって
は足にロープの跡が付くことも有りますので、まず問題ないとは思いますが、
薄手のクッション(座布団)など使うのも良いでしょう。
このタイプの座を、ダイニングチェア、ワークチェア、等に使うのはすこ無 理
が有りますので、写真(B)の様に左右にも編まずにロープ巻きを追加して た
わみを抑えています。
写真(C)は座面の拡大ですが、図の様に左右の座枠のどちらかに、まず一
回 巻き付け上から下へ次は反対の座枠に一回巻き付け上から下へと8の字
に巻いて前後の座枠のRに少しでも近づく様にします。この程度対処すれば
保持力も増し快適に座ることが出来ますので、リビングチェア程度まで十分
実用になります。

「イスについて 4」で続きを書いていきます。


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