−ヘッド改造編−


第4章 ヘッドのロゴ改良作戦

そのアイデアとは,結論から言うと「Fenderロゴに変えてしまう」ことであった.古いロゴを剥がし,Fenderロゴをシールにして貼ればバッチリかも・・・.できればリペア用のシール(数千円する)などではなく,自作したいものだ.う〜ん,そんなにうまくいくかなぁ〜と思いつつも,”失敗してダメもと”なので早速チャレンジすることに.
まずは題材となるFenderロゴをインターネットなどで探す.こいつはラージヘッドなので,ターゲットとするロゴは「デカいFenderマークで,横に”STRATOCASTER”ってウェイブがかった文字が書いてあるヤツ」だ.
しばらく探す.しかし,これがなかなか無いんよね〜.画像はあるけど,画質が悪かったりピンボケだったりして使えそうなものが見つからなかった.
そこでMORYは考えた.
そうだ,YN君から購入した”'78 MUSTANG(命名:Kangoo)”もラージヘッドだ. こいつをデジカメで撮影して,ロゴを作ってしまおう!早速ムスタングを取り出したが,そこで気付いた.

「あっ,”MUSTANG”って書いてある!」(あたりまえか・・・.も〜YNぅ〜)


と,YN君に罪はないのだが(しかも全く関係ない),そう考えることで少しはMORYの気が晴れた.α波で満たされた MORYの頭脳には,またもや名案が浮かんだ.
「え〜い,”STRATCASTER”の文字くらい,多少ウェイブがかかってたとしても何とかなるわい」.そう,名案とは”自作” なのであった.ははは・・・.幸い画像編集は年賀状などで慣れている.まあ,あれこれ考えるより,まずはやってみよう.

まずは,撮った写真から”Fender”の文字だけを切り抜く.これが結構手間がかかるのよね〜.慎重にマウスを操作し, 震える手でロゴ以外の背景を消していく.根気のいる作業だ.(決してヒマじゃないぞぉ〜)

↑写真4
YN君ムスタングのヘッド写真.当然のことながら,横の文字は”MUSTANG”って書いてある


1時間くらい経ったろうか,なんとか無事にロゴを切り出すことができた.なかなかの出来だ.あとは”STRATOCASTER”のウェイブ した文字と,シリアルナンバーを書き込むだけだ.
慎重にフォントの種類を選び,文字サイズも調整しいざ挑戦.しかしこれがまたまた苦難の連続だった.一文字ずつ文字を微妙に ウェイブさせながら並べていく.出来た!と思っても文字がデコボコだったり,バランスが悪かったり,ヘッドの形状に沿って 曲がっていなかったり・・・.その度ごとに修正していった.

しばらくしてようやく完成.気がつけば更に1時間近く経っていた.とりあえず紙にプリントアウトしてヘッドに 合わせてみる.おぉ〜,完璧!そして,あらかじめ購入していた”TATOOシール(刺青シール用の紙)”にプリントアウトし, ようやく完成!
↑写真5
完成したロゴ.さて,シリアルナンバーは何の番号にしているでしょう?

第5章 ロゴ改良作業開始

よし,ロゴのシールは出来た.あとは現状のかっこ悪いロゴを消して,Fenderもどきシールを貼りつけるだけだ.ワクワクしながら紙やすりを取り出し,ヘッドのロゴ部分を擦る.ひたすら擦る.いっぱい白い粉が出てきた.おぉ〜だいぶ削れてるぞ!しかし現実の壁にぶち当たる.

【あれれ,労力のわりに全然消えてくれないぞ・・・.ぬぉわ〜,えらい塗装が分厚いやんけ!】

う〜ん,しょっぱなからこんな苦難があるとは・・・.これではナンボ時間があっても足りない.MORYは考えた.

【よし,塗装を削り取ってしまおう.】

職業柄,表面を削るには”スクレイパーという道具(お好み焼きのコテみたいなやつ)”があると便利と知っているのだが,残念ながら持ってない.いろいろ考えながら工具箱をまさぐる.
まずは棒ヤスリを発見.しかしロゴの部分だけ削るのはちと難しい.木まで削ってしまいそうだ.しかたなく却下.さらに探す.デカいカッターナイフがあった.刃で削るのは無理があるなぁ〜と考えながら良く見ると,「刃をポキッと折ったところの断面」がコテっぽい.試しに削ってみる.おっ!エエ感じで削れていくぞ!刃が微妙にしなり,いけそうだ.
ということで作業再開.

←写真6
作業途中の様子.思ったより塗装が厚くて,なかなか消えてくれない.慎重に削らないと表面がボコボコになって,後の仕上がりに影響する.
慎重に・・・慎重に・・・.(だからヒマやないって!)
→写真7
何とかロゴが消えてくれた.写真上のカッターナイフの頭部分で削りました.なお,写真下の白い粉が削りカスです.お〜たくさん削れたぞ!

ようやく,ロゴが消えてくれた.あ〜手にマメができそう.今度\100均一などでスクレイパーを買っておこう.

削った表面を整えるために,紙やすりで平滑化していく.さあ,いよいよFenderロゴシールを貼るぞ!どんな感じになるのか楽しみ!


第6章 ヘッド部分完成!

第4章で作ったシールは”TATOOシール”と言って,その名のとおり刺青のシールだ.水で濡らして貼ると,プリントした絵が転写されるしくみだ.
はやる気持ちを抑え,ずれないように慎重に位置決め.よし,大きさも角度もいい感じだ.シールの上から濡れたティッシュで水を含ませ貼り付けて行く.これまた慎重に台紙を剥がすと,”Fender”の文字が浮かび上がった.”おぉ〜かっちょええ〜!”.よく見ると微妙に空気が入り込んでいる.手荒に扱うと破れてしまうので,これもティッシュで丁寧に処理.よし,完成だ.第一段階終了!

前述したように,このシールは非常に破れやすい.このままだと,いつか消えてなくなってしまうし,ロゴ剥がしで塗装も剥いでしまったので,クリア塗装し保護することに.ホームセンターで家庭用のスプレーを購入.実はこの塗料にもコダワリがあった.レリックに必要な塗料だったのよ.詳細はあとあと紹介していくね.

とある雪が降る深夜,塗装作業に取り掛かる.ムラにならないようキレイに仕上げるには,薄く何回も吹き付けることが大切だ.というのも,実は愛器MORYも茶色に塗ってた時期があったの(ナウマン@M大初ライブ時のギターは茶色).その時に経験したの.ということで,本題に戻る.
1回目の塗装開始.スプレーは有毒なのでベランダにて作業.なんでこんな日に限って雪が降ってるんや〜!2〜3秒間全体にスプレーし乾かす.チビっとしか塗れてないけどここは我慢.乾くまで30分くらい待って,再度塗装.このような作業を5〜6回繰り返すと,表面に透明なクリア膜が現れてくる.お〜”らしく”なってきた.感じええやないの.でも,それと同時に削った部分がひと際白く見え,元々の部分の色の差が目立ってきた.

う〜ん.・・・むふふ,実は予想していたことなのだ.ここで某メーカーの靴墨登場!というのも,インターネットでaged加工(経年変化)を調べていたときに,”簡単なリペアのわざ(伊東家の食卓的?)”として紹介されてたの.
靴墨のノリを良くするため,細かいサンドペーパーでヘッドを磨く.そしてそいつを塗るとあら不思議,”日焼けしたメイプルっぽさ”が出てくるやないの!おぉ〜.
深みを増すために,再度塗装と磨きを繰り返し.10回以上はやったかな.多少白さは残っているものの,ほとんど違和感がない状態となった.よしOKだ.仕上げのため,サンドペーパーの粗めから極細の順で磨いていき,コンパウンド(歯磨き粉みたいなやつ)で磨く.ひたすら磨く.よし,完成だぁ〜!
→写真8
完成後のヘッドとボディーの2ショット.結構うまくできたでしょ?ちなみに写真したの丸いやつが今回使った靴墨.結構重宝しました.

もうすぐボディーと合体させてあげるよ!次はボディー側の加工だ!



《ボディ改造編へ続く》