入院中私は、カバの折り紙と出会い、楽しい時間を過ごすことができた。入院後はあわただしかったが、迅速な処置をしていただいたおかげで、容態がしだいに落ち着いてきた。私は、何かをしていないと気持ちが落ち着かなくなって、「せっかく時間があるなら、折り紙でも作りたい」「どうせなら、カバを作りたい」と、家族に訴えたらしい。家族はどこからか、『動物折り紙』の解説書を買ってきてくれた。カバの作り方の解説はなかったが、ハムスターの作り方が参考になりそうだった。
しかし読み進めるにつれて、私は折り紙のむずかしさを悟るようになり、『動物折り紙』の本は枕元に積まれたままになってしまった。
ところが、病院のスタッフには器用な方が多くおられて、Sさん、Niさん、Naさんが見事なカバを折ってくださった(SさんとNiさんの素敵なカバ作品は、次回掲載の予定です)。
この写真のカバは、Naさん作。立体的で、色も形も とてもカバらしい。Naさんが、家で5歳のお嬢さんと一緒に作ってくださったとのこと。「子どもの頃から、折り紙をいっぱい作って、ジオラマ遊び、人形遊びをしていました」とのこと。このようなお話をうかがい、Sさん、Niさん、Naさんが作られたカバを見せていただいていると、「カバの折り紙を作りたい」という素朴な思いが、一朝一夕に叶うものではないことが、よく分かった。
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◇日本。折り紙作品。Naさん作。30p。 |
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