スリムで精悍なカバ。カバの理想体型のようで、ムダな肉がなく、気品がある。
村中保彦作。久しぶりに、作者のHP「村中保彦のメタルアート」をのぞいてみた。「独り言」というところに、山口県宇部市の野外彫刻美術館に重さ140sの大きなカバの作品を展示されるまでの過程が詳しく描かれていて、興味深かった。まず現代日本彫刻展で、模型での選考会があり、それに入選されて、大きな作品を作る資格を得られたとのこと。そして材木でカバの原型を作り、粘土を塗る。シリコンを塗って型を作る。蝋を塗る。鋳物でパーツを作る。パーツを溶接でつないで、磨く。台座につけて、公園に展示する、という一つの作品が完成するまでの手順が、写真と文章でていねいに示されていた。およそ、半年かけて作られたとのこと。
「心のこもった仕事は、目に見えないところで多くの時間がかけられている」「仕事を見れば、かけられた時間が分かる」と、私はいつも思っていますが、芸術の世界も同じなのだと、改めて思いました。
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◇日本。村中保彦作。ステンレス。8.5p。東京。 |
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